海外旅行や出張で飛行機に乗る機会が増えると気になるのが、マイレージプログラム。でも「アライアンスって何?」「どのプログラムを選べばお得なの?」と迷っている方も多いのではないでしょうか。この記事では、航空会社のアライアンスの基本から、3大アライアンスの特徴、そしてマイルを効率よく貯めるコツまで詳しく解説します。自分に合ったマイレージプログラムを見つけて、次の旅行をもっとお得に楽しみましょう。
アライアンスって何?航空会社の連合組織を知ろう
アライアンスとは、複数の航空会社が提携して作る連合組織のことです。航空会社同士が手を組むことで、お互いの路線を共有し、世界中により多くの目的地へ乗客を運ぶことができるようになります。
アライアンスの基本的な仕組み
航空会社のアライアンスは、異なる国や地域の航空会社が協力して、より広範囲なサービスを提供するための仕組みです。例えば、ANAに乗ってニューヨークまで行き、そこからユナイテッド航空に乗り換えてシカゴへ向かうといった旅程も、同じアライアンス内なら予約がスムーズになります。また、一つの航空会社のマイレージプログラムに登録していれば、同じアライアンスに所属する他の航空会社を利用した際にもマイルを貯めることができます。
アライアンスがあることのメリット
アライアンスの最大のメリットは、より広い範囲の目的地へのアクセスが可能になることです。また、乗り継ぎの際の手続きが簡素化され、荷物も最終目的地まで一度に預けることができます。さらに、上級会員になると、アライアンス内の他の航空会社のラウンジも利用できるなど、さまざまな特典が受けられます。
世界の3大アライアンスとは
現在、世界には「スターアライアンス」「ワンワールド」「スカイチーム」という3つの主要なアライアンスがあります。それぞれに特徴があり、加盟している航空会社も異なります。日本の航空会社では、ANAがスターアライアンス、JALがワンワールドに所属しています。
スターアライアンスの特徴と加盟航空会社
スターアライアンスは1997年に設立された世界最大の航空連合で、ANAをはじめとする多くの主要航空会社が加盟しています。
ANAが所属する世界最大のアライアンス
スターアライアンスは加盟航空会社数が最も多く、世界中の主要都市をカバーしています。日本からは全日本空輸(ANA)が加盟しており、国内線が充実しているため、日本国内の移動が多い方にとって便利なアライアンスです。
主な加盟航空会社と就航エリア
スターアライアンスには、ANAの他にも、ユナイテッド航空(アメリカ)、ルフトハンザ航空(ドイツ)、シンガポール航空、タイ国際航空など、26社の航空会社が加盟しています。北米、ヨーロッパ、アジアの主要都市を広くカバーしており、特に欧州路線が充実しています。
スターアライアンスで得られる特典
スターアライアンスのマイレージプログラムに登録すると、加盟航空会社のフライトでマイルを貯めることができます。また、上級会員になると、優先チェックイン、追加の手荷物許容量、ラウンジアクセスなどの特典が受けられます。ANAマイレージクラブの上級会員(プラチナ、ダイヤモンド)は、他のスターアライアンス加盟航空会社の便に搭乗する際も同様の特典を享受できます。
ワンワールドの特徴と加盟航空会社
ワンワールドは1999年に設立された航空連合で、JALをはじめとする高品質なサービスで知られる航空会社が多く加盟しています。
JALが所属する高品質なサービスのアライアンス
ワンワールドは加盟航空会社の数はスターアライアンスより少ないものの、高品質なサービスで知られる航空会社が多く集まっています。日本からは日本航空(JAL)が加盟しており、国内線も充実しています。
主な加盟航空会社と就航エリア
ワンワールドには、JALの他に、アメリカン航空(アメリカ)、ブリティッシュ・エアウェイズ(イギリス)、キャセイパシフィック航空(香港)、カンタス航空(オーストラリア)など、14社の航空会社が加盟しています。北米、ヨーロッパ、オセアニア、アジアの主要都市をカバーしており、特に北米路線とオーストラリア路線が充実しています。
ワンワールドで得られる特典
ワンワールドのマイレージプログラムに登録すると、加盟航空会社のフライトでマイルを貯めることができます。JALマイレージバンクの上級会員(JGC会員、ダイヤモンド会員)は、他のワンワールド加盟航空会社の便に搭乗する際も、優先チェックイン、ラウンジアクセスなどの特典を受けられます。
スカイチームの特徴と加盟航空会社
スカイチームは2000年に設立された航空連合で、中国路線が充実していることが特徴です。
中国路線が充実したアライアンス
スカイチームは中国の主要航空会社が多く加盟しており、中国路線が特に充実しています。日本の航空会社は加盟していませんが、韓国のコリアンエアーやデルタ航空(アメリカ)などが主要メンバーとなっています。
主な加盟航空会社と就航エリア
スカイチームには、デルタ航空(アメリカ)、エールフランス(フランス)、KLMオランダ航空、コリアンエアー(韓国)、中国東方航空、中国南方航空など、19社の航空会社が加盟しています。北米、ヨーロッパ、アジアの主要都市をカバーしており、特に中国国内の都市への路線が充実しています。
スカイチームで得られる特典
スカイチームのマイレージプログラムに登録すると、加盟航空会社のフライトでマイルを貯めることができます。上級会員になると、優先チェックイン、追加の手荷物許容量、ラウンジアクセスなどの特典が受けられます。日本からは直接加盟航空会社がないため、デルタ航空やコリアンエアーのマイレージプログラムを利用するのが一般的です。
3大アライアンスを徹底比較
3大アライアンスにはそれぞれ特徴があります。自分の旅行スタイルや目的地に合わせて選ぶことが大切です。
加盟航空会社数と就航地域の違い
3大アライアンスの加盟航空会社数と主な特徴を比較してみましょう。
アライアンス名 | 加盟航空会社数 | 日本の加盟会社 | 特に充実している地域 |
---|---|---|---|
スターアライアンス | 26社 | ANA | 欧州、アジア |
ワンワールド | 14社 | JAL | 北米、オーストラリア |
スカイチーム | 19社 | なし | 中国、欧州 |
マイレージプログラムの使いやすさ
マイルの貯めやすさや使いやすさも重要なポイントです。ANAとJALはどちらも国内線が充実しており、日本在住者にとっては貯めやすいプログラムと言えます。一方、スカイチームは日本の航空会社が加盟していないため、デルタ航空やコリアンエアーのプログラムを利用することになりますが、マイルの有効期限が比較的長いという特徴があります。
日本人旅行者に適したアライアンスは?
日本人旅行者にとっては、国内線の利用頻度や主な海外渡航先によって適したアライアンスが変わってきます。国内移動が多く、アジアや欧州への旅行が多い方はスターアライアンス(ANA)、北米やオーストラリアへの旅行が多い方はワンワールド(JAL)が便利かもしれません。中国への渡航が多い方は、スカイチームの航空会社のマイレージプログラムも検討する価値があります。
マイレージプログラムの選び方
自分に合ったマイレージプログラムを選ぶことで、効率よくマイルを貯めて特典を利用することができます。
自分の旅行スタイルに合わせたプログラム選び
マイレージプログラムを選ぶ際は、自分の旅行パターンを考慮することが大切です。頻繁に利用する路線や航空会社、旅行の目的地などを考えて、最も効率よくマイルが貯まるプログラムを選びましょう。例えば、仕事で国内移動が多い方は、ANAかJALのプログラムが適しているでしょう。
日本からの就航路線で考える
日本からの直行便が多い航空会社のプログラムを選ぶと、マイルを貯めやすくなります。ANAとJALは国内線も国際線も充実しているため、日本在住者にとっては便利です。また、成田や羽田からの直行便が多い海外の航空会社(例:ユナイテッド航空、アメリカン航空など)のプログラムも検討する価値があります。
マイルの有効期限と失効条件の違い
マイレージプログラムによって、マイルの有効期限や失効条件は異なります。ANAマイレージクラブは36ヶ月間の活動がないとマイルが失効しますが、JALマイレージバンクは一部のマイルに有効期限があります。デルタ航空のスカイマイルは有効期限がないため、頻繁に飛行機に乗らない方にも適しています。
マイルを効率よく貯めるコツ
マイルを効率よく貯めるには、フライト以外の方法も活用することが大切です。
フライトでマイルを貯める基本
フライトでマイルを貯める際は、搭乗する航空会社だけでなく、どのマイレージプログラムにマイルを加算するかが重要です。例えば、ANAに搭乗する場合でも、ANAマイレージクラブだけでなく、ユナイテッド航空のマイレージプラスなど、他のスターアライアンス加盟航空会社のプログラムにマイルを加算することも可能です。どのプログラムが最もお得にマイルを付与するか比較してみましょう。
クレジットカードを活用したマイル獲得術
マイルを効率よく貯める最も一般的な方法は、マイル還元率の高いクレジットカードを利用することです。ANAやJALの提携カードは、通常の買い物でもマイルが貯まりますし、入会ボーナスや継続ボーナスでまとまったマイルがもらえることもあります。また、カード会社のポイントをマイルに交換できるカード(例:アメリカン・エキスプレス、三井住友カード)も便利です。
提携ホテルや店舗でマイルを増やす方法
航空会社は多くのホテルチェーンや小売店と提携しています。提携ホテルに宿泊したり、提携店舗で買い物をしたりすることでもマイルが貯まります。例えば、ANAは高島屋やイオンなどの小売店、JALはセブン-イレブンやロッテホテルなどと提携しています。日常的に利用する店舗の提携先を確認してみましょう。
電子マネーとの連携でポイントを二重取り
最近では、電子マネーとマイレージプログラムを連携させることで、ポイントを二重取りできるケースも増えています。例えば、楽天ポイントをANAマイルに交換したり、Pontaポイントをマイルに交換したりすることができます。日常的に使う電子マネーとマイレージプログラムの連携を確認してみましょう。
アライアンス別おすすめマイル獲得法
各アライアンスごとに効率的なマイル獲得法があります。
ANAマイルを効率的に貯める方法
ANAマイルを効率的に貯めるには、ANAカードの利用がおすすめです。ANAカードは種類が豊富で、年会費や特典が異なるため、自分のライフスタイルに合ったカードを選びましょう。また、ANAショッピングAマイルモールを経由してオンラインショッピングをすると、通常のマイルに加えてボーナスマイルがもらえます。さらに、ANAの提携ホテルに宿泊したり、レンタカーを利用したりすることでもマイルが貯まります。
JALマイルを効率的に貯める方法
JALマイルを効率的に貯めるには、JALカードの利用がおすすめです。JALカードもANAカード同様に種類が豊富です。また、JALショッピングを経由してオンラインショッピングをすると、ボーナスマイルがもらえます。JALは国内のコンビニエンスストアやドラッグストアとの提携も多いため、日常の買い物でもマイルが貯めやすいという特徴があります。
海外航空会社のマイルを日本で貯める方法
海外航空会社のマイルを日本で貯めるには、その航空会社の提携クレジットカードを利用するか、ポイント交換サービスを活用するとよいでしょう。例えば、デルタ航空のスカイマイルは、アメリカン・エキスプレスのポイントから交換できます。また、ホテルの宿泊ポイントをマイルに交換することも可能です。海外航空会社のマイレージプログラムは有効期限が長いものが多いため、あまり頻繁に飛行機に乗らない方にも適しています。
マイル活用の注意点
マイルを効率よく活用するためには、いくつかの注意点があります。
マイルの有効期限管理
マイルには有効期限があるものが多いため、定期的にマイル残高と有効期限を確認することが大切です。ANAマイレージクラブは36ヶ月間の活動がないとマイルが失効し、JALマイレージバンクは一部のマイルに有効期限があります。マイルが失効しそうな場合は、小額の買い物でもマイルが加算される活動をして、有効期限をリセットしましょう。
特典航空券の予約のコツ
特典航空券は人気の路線や時期は予約が取りにくいため、早めの予約が大切です。多くの航空会社は出発の330日前から予約を受け付けています。また、平日や閑散期を選ぶと予約が取りやすくなります。特典航空券の空席状況は日々変動するため、定期的にチェックすることをおすすめします。
マイル獲得にかかるコストを考える
マイルを貯めるためにクレジットカードの年会費や手数料がかかることもあります。マイルの価値と比較して、コストパフォーマンスが良いかどうかを考えることが大切です。例えば、年会費が高いプレミアムカードは、付帯特典やボーナスマイルが多いため、頻繁に飛行機に乗る方には価値があるかもしれませんが、あまり利用しない方には不向きです。
まとめ
アライアンスとマイレージプログラムの仕組みを理解すれば、効率よくマイルを貯めて特典を活用することができます。自分の旅行スタイルや目的地に合わせて、最適なアライアンスとマイレージプログラムを選びましょう。フライト以外にも、クレジットカードや提携店舗の利用、電子マネーとの連携など、さまざまな方法でマイルを貯めることができます。マイルの有効期限や特典航空券の予約のコツも押さえて、賢くマイルを活用しましょう。