
最終更新日:2020年5月13日
一般的によく飲まれているビールやチューハイなどと比べ、日本酒は少々アルコール度数が高めのお酒として知られています。
しかし、日本酒はいったいどのくらいのアルコール度数なのか、また、その背景にはどのような事情があるのかについては、意外と知られていません。
そこで今回は、日本酒のアルコール度数の疑問について解説していきます。
しかし、日本酒はいったいどのくらいのアルコール度数なのか、また、その背景にはどのような事情があるのかについては、意外と知られていません。
そこで今回は、日本酒のアルコール度数の疑問について解説していきます。
日本酒のアルコール度数はどのくらい?
日本酒は酒税法で「清酒」に分類されますが、国内で販売できる清酒のアルコール度数は酒税法により22度未満と定められていますので、基本的に22度以上の日本酒は流通していないと考えていください。
現在、市場に流通している日本酒のアルコール度数は、だいたい15~16度くらいの商品がほとんど。
実は、日本酒のアルコール度が15~16度のラインに集中している背景には2つの理由があります。
以前の酒税法が影響
日本酒の場合、2008年以前の酒税法においては、アルコール度数が16度を超えるごとに9,370円税金が加算されてしまう仕組みでした。生産者の立場からすると、税金はできるだけ安く抑えたいという心理が働くもの。
このなごりが今でも残っているために、現在流通している日本酒は15~16度のものが多いというわけです。
酵母菌の問題
日本酒の製造過程では、もろみの中の酵母(菌)が糖分を分解してアルコールと二酸化炭素をつくり出します。ところが、アルコール濃度が高い環境に酵母は弱く、アルコール濃度が12%を超えてくると死滅していきます。
酵母が死滅していくと、硫黄化合物などの“心地よくない香り”放出される形になり、品質に悪影響を及ぼすため、通常はアルコール度数が一定ラインを超えないうちに搾り取ります。
このようなわけで、品質の観点からもアルコール度数15~16度の日本酒が多いのです。
日本酒の人気銘柄の度数を一覧で紹介
それでは、参考に日本酒の中でも特に人気の銘柄のアルコール度数を見ていきましょう。-
獺祭(だっさい) 純米大吟醸45
産地:山口県
アルコール度:16度
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久保田 千寿 吟醸
産地:新潟県
アルコール度:15度
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清酒 八海山
産地:新潟県
アルコール度:15.5度
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出羽桜 桜花 吟醸酒
産地:山形県
アルコール度:15度
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ほまれ酒造 会津ほまれ純米大吟醸 極
産地:福島県
アルコール度:16度
-
上善如水 純米吟醸
産地:新潟県
アルコール度:14度
-
北鹿 北秋田 大吟醸
産地:秋田県
アルコール度:15度
-
月桂冠 定番酒つきパック
産地:京都府
アルコール度:13度
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十四代 本丸 秘伝玉返し
産地:山形県
アルコール度:15度
-
多満自慢 純米無濾過
産地:東京都
アルコール度:14度
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アルコール度数は日本酒の味わいにどう影響する?
アルコール度数15度前後が多い日本酒ですが、微妙なアルコール度の違いであっても、その味に大きな変化をもたらします。例えば1度の違いであっても全然違う味わいの日本酒になるのです。
アルコール度はおいしさのバロメーターではないので、度数が高いほどおいしいとか、低いものは味が劣るとか、そのようなものではありません。
ただ、アルコール度が高いほど豊潤さが増してガツンとしたインパクトを感じられます。逆にアルコール度が低いとスッキリ飲みやすくなる傾向があります。
ですので、アルコール度数は、日本酒選びの一つの目安として考えるのが良いでしょう。
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日本酒はアルコール度数高めのお酒。初心者でもおいしく飲むコツ
ビールやカクテルをよく飲む人でも、日本酒はあまり飲まないという人も多いようです。日本酒が嫌いな人は、日本酒特有のアルコール強めの香りが苦手で飲みにくいというのです。
ただ、日本酒とひと口でいっても種類は豊富で、初心者や日本酒が苦手という人でもおいしく飲めるものもたくさんあります。
最後に、日本酒初心者や日本酒が苦手意識がある人におすすめしたい日本酒のセレクトポイントについて紹介します。

原酒は避ける
日本酒はできあがったものにお水を混ぜていき、アルコール濃度を薄めて仕上げていくのが一般的なつくり方です。しかし、こうした工程を踏まないのが「原酒」。日本酒好きな人の中には原酒を好んで飲む人も多いようですが、初心者や日本酒が苦手な人にとっては原酒は濃すぎて飲みにくいですし、アルコールがきついと感じると思います。
純米酒を選ぶようにする
純米酒とは、米や米麹、お水のみを原料につくるお酒で、醸造アルコールを添加しないお酒です。ですので、純米酒は、日本酒特有のアルコールの香りがきつくなく、フルーティーでさわやかな傾向がありますから、初心者や苦手な人でも比較的飲みやすいです。
吟醸酒や大吟醸を選ぶようにする
「日本酒の雑味が苦手」という人も多いようです。この雑味は、酒米に含まれる糖によるもの。
吟醸酒または大吟醸であれば、雑味の元である糖がしっかり削られているので、雑味が少なくすっきりした飲み口に仕上がっていますから、初心者や日本酒が苦手なに人におすすめです。
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最終更新日:2020年5月13日