
最終更新日:2020年4月13日
20代のうちは「自分はまだまだ若いから」という思いがあったり、社会経験が浅いがゆえに色々なことに気づけないものです。
今後の自分の長い仕事人生についてもかなり楽観的に考えています。
例えば「今の仕事を続けていれば、この先どこかで良い転機がやってくるんじゃないだろうか?」とか、「今の仕事を頑張っていればいつかどこかの会社が声をかけてくれて、良い転職も可能なのではないだろうか?」などと安易に考えているのです。
そこで今回は以下の点について、説明したいと思います。
今後の自分の長い仕事人生についてもかなり楽観的に考えています。
例えば「今の仕事を続けていれば、この先どこかで良い転機がやってくるんじゃないだろうか?」とか、「今の仕事を頑張っていればいつかどこかの会社が声をかけてくれて、良い転職も可能なのではないだろうか?」などと安易に考えているのです。
しかし、30代になって色々な現実が見えてくると、今の仕事を続けていても良い転機はめぐって来ない。
今の仕事を続けていても給与は増えず生活は豊かにならない。
どんな大手企業であっても、この先ずっと存続するとは限らないなどと気づき始めるわけです。
そのようなこともあり、30代で転職に踏み切る人も増加傾向にあります。
今の仕事を続けていても給与は増えず生活は豊かにならない。
どんな大手企業であっても、この先ずっと存続するとは限らないなどと気づき始めるわけです。
そこで今回は以下の点について、説明したいと思います。
30代で「今の仕事を辞めたい、転職したい」と思う人は非常に多い
20代のうちは、会社組織の中では立場は下の方で、仕事で何か失敗したとしても「まだ若いから仕方ないよね」といった具合で許されてしまうことも少なくありません。しかし、30代になると、後輩や部下ができたりして責任も裁量も重くなっていきます。
そうした中で自然と視野や視点も広がっていき、社会の中の自分の立ち位置や、自己分析もできるようになっていきます。
また、30代は配偶者や子供を持ち始める年齢でもあります。

また、既婚、独身に関わりなく、30代になると自身の体力の衰えにも気づき始めますし、親の老化も気になってきます。
このようにさまざまな状況を目の当たりにしたとき、この先「現状の収入では厳しい」思うようになったり、「この先、年齢的にチャンスはそう多くはない」と気づき始める30代は多いわけです。
そのような心理は下記のデータからもわかります。下記のデータは「仕事を辞めたいと考えた時期」について、世代別にグラフにしたものです。
出典:(独)労働政策研究・研修機構「若年者の離職理由と職場定義に関する調査
赤でマークしてある部分に注目してください。
このデータを見ると、もっとも「仕事を辞めたい」考えているのは、入社して3ヶ月以内の22歳未満。
その次が「入社して4年目以降の30~34歳」なのです。
このデータからもわかるように、30代は現状の仕事を見直したいと思う時期でもあるのです。
雇用する側は30代の転職希望者をどう見るか?
収入を増やすために今の仕事を辞めたい、もっといい会社に行きたいと考える30代の転職希望者に対し、雇用する側の企業はどのような目で見るのでしょうか?
結論から先に言うと、「良い企業」ほど、30代の転職者の受け入れに慎重です。
ここで定義している「良い企業」というのは、自社の事業に情熱をもって取り組んでいたり、社員をきちんと育てる「ちゃんとした会社」です。
そのような「ちゃんとした会社」であればあるほど、30代の転職希望者への評価は厳しいです。
その背景にあるのは「無駄な人材は1人も作りたくない」という心情。
つまり、会社を発展させよう、収益をどんどん伸ばしていこうと本気になっている会社にとって、社員一人一人がパズルを完成させるために必要なピースなのです。
戦力にならない、仕事への意欲がない人はパズルのピースになり得ないですし、他のピースの邪魔にもなるわけです。
さらに、30代ともなると、場合によっては年下の社員が上司になるケースも多く、その環境下で「人間関係が円滑にできる人材かどうか」についても企業は厳しく判断してきます。
戦力にならない、仕事への意欲がない人はパズルのピースになり得ないですし、他のピースの邪魔にもなるわけです。
(採用後に「やっぱり解雇」というのはなかなか難しいですからね)
「良い企業」はその辺りもよく踏まえて採用活動するわけです。
裏を返せば、30代の転職者への受け入れの慎重度合いは「良い人材であれば、我が社の社員として大切にしたい」という心情の表われとも言えます。
一方で、30代の転職者の受け入れのハードルがあまりにもゆるい会社もあります。
少子高齢化により、年々日本の労働者人口は減少してきていますから、単純に「働き手」が不足しているのです。
地方であれば、なおさらその傾向は強いです。
ですので、こうした事情から30代の転職者であっても積極的に受け入れる企業が増えています。
しかし、注意も必要。
あなた自身、これまでの人生で何度か恋をしたことがあるでしょう。
もしその恋した相手が「とりあえず誰もいいから彼氏(彼女)が欲しかったから、あなたと付き合った」のであれば、どうでしょうか?
そのようなスタンスの恋人とずっといい関係を築けるでしょうか?

転職に成功する30代の特徴
30代以降の転職は、成功といえる転職と、そうでない転職にはっきり分かれます。ある人材紹介会社が、30代で転職した人を対象に「転職して良かったか?」というアンケートを実施したところ、「転職して良かった」と回答した人たちに、ある共通点があったというのです。
応募した企業側と面接から入職をするまでの過程で十分意見交換ができていたということです。
前項で、恋人選びの例え話をお話ししましたが、「良い恋人」をゲットするには、相手側にどんな本音が潜んでいるのかを見極める必要があります。
同時に相手側に自分の本音も十分に理解してもらわなければなりません。
このような形で双方の本音がかみ合って納得し合えて初めて、その後の強固な関係に発展していくわけです。
もしかしたら、一生付き添う関係になるかもしれません。
30代の転職についても同じ原理なのです。
何度かの面談の際に、相手企業の本音をしっかり引き出すとともに、自分の本音も理解してもらえるようにするのです。
もし、その過程で「なんか話し合いがうまくいかないなぁ」と感じるのであれば、あなたにとってその企業は一生寄り添う「恋人」になる可能性は低いでしょう。
転職に失敗する30代の特徴
一方、転職に失敗したと感じる30代は、「転職先の企業と入社前の段階から十分な意思の疎通ができていない」傾向があります。それに加え、転職希望者、企業側のどちらかが、または両方が自分本位になっていたケースも多いのです。
例えば以下のように。
(転職希望者の本音)

今勤めている会社の上司が嫌いだから、とりあえずなんでもいいから別の会社に逃げたいだけだった。
(採用企業の本音)

とりあえず、とにかく働き手がいないので、誰でもいいから採用したかっただけだった。
このように、一方が、あるいは双方が相手のことを全く考えない、自己本位になっていると、その場はしのげても、入職後に必ずひづみが出てくるのです。
ですから、再就職活動においては、入職までのやり取りは非常に大切です。
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最終更新日:2020年4月13日